幼少の頃は病弱で、
禁外食ラーメンだった、
でもその頃、
求めてやまないラーメンがあった。
それは地元のデパート最上階、
「ニチイのスガキヤ」。
今はもうあとかたもなく、
「ニチイ」の名を出すことにさえ郷愁が漂う。
記憶の中では、
「ニチイのスガキヤ」の香りに後ろ髪をひかれ、
屋上の遊び場にいる時も、
心は「ニチイのスガキヤ」、
求めるは「ニチイのスガキヤ」、
だった。
「スガキヤ」ではなく、
「ニチイのスガキヤ」、
が食べたい。
それを知るのは大人になって他店舗で食べた時。
「スガキヤ」だけど、
「ニチイのスガキヤ」
じゃなかった。
俺の「スガキヤ」は、
ニチイの最上階、
あのフロアを通り抜けた時に想像した味、
そして、もう想像のなかにしか存在しない味。